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相続税の相談は誰にする?税理士選びのポイントや報酬の相場、注意点を解説

2025.05.16

相続税の申告に不安がある場合は、税理士に相談するのが有効です。税理士は納税者の税務代理を行う役目があり、税の専門家です。

しかし、どんな税理士を選ぶべきか迷うかもしれません。スムーズに税理士選びができるよう、選び方のポイントや探し方、報酬の相場や注意点をまとめました。

相続税の相談は誰にするといいの?

相続税の相談は税理士がおすすめです。税理士は税の専門家であり、納税者の税務代理を行う役目があります。

財務省が公表している「令和5事務年度国税庁実績評価書」によると、相続税を申告した人のうち、税理士に依頼した割合は86.3%です。多くの人が税理士の力を借りて相続税の手続きを行っています。

なお、相続人間で揉めごとがある場合は弁護士、相続の手続きに不明点がある場合は司法書士に相談するとよいでしょう。相続税の相談先については、以下の記事も参考にしてみてください。

 

相続税に強い税理士選びのポイント5つ

相続税に強い税理士を選ぶ際は、相続税の専門であること、相続税申告の実績が豊富であるかに着目しましょう。報酬額や事務所の立地も判断基準に入れます。また、税務調査に適切に対応できる税理士であれば安心です。

1.相続税を専門としている

税理士事務所の中でも、相続専門の事務所を選びましょう。税理士と一口にいっても、得意分野は異なります。

たとえば、法人税が専門の税理士事務所では相続税の取扱件数が少ないため、専門知識が限られていることも。税理士であれば誰でもいいわけではないため、相続が専門かどうか確認しましょう。

2.相続税申告の実績が豊富である

相続税の申告を依頼する税理士を選ぶ際、税理士の実績と経験を重要視しましょう。経験豊富な税理士は、適切な申告や節税だけでなく、二次相続のアドバイスも期待でき、ミスのリスクも減らせます。

判断基準として、実務経験が5年以上、年間50件以上の対応実績があると安心です。依頼する前に担当税理士の実績を確認しておきましょう。

3.報酬額が適正かつ明確である

税理士報酬が公開されており、適正かつ明確な事務所を選ぶことも重要です。料金が不明確な場合や安さだけで選択した場合、後から成功報酬として追加で請求されるケースもあります。税理士への依頼相場は後述しますが、税理士を決める際は価格の透明性を見極めましょう。

4.事務所の立地が良い

訪問しやすい場所に税理士事務所があることもポイントです。相続税申告の場合、初回面談から最終報告まで、最低でも3回以上は事務所に訪れる必要があります。そのため、相続人全員が無理なく訪問できる場所にある税理士事務所を選ぶことが重要です。

自宅に訪問してくれる税理士の場合は、来訪可能エリア内かどうか確認しておくとよいでしょう。近くに事務所がない場合、リモートで対応してもらう選択肢もあります。

5.税務調査にも適切に対応できる

税務調査に強い税理士を選ぶことで、相続税申告におけるリスクを軽減できます。税務調査とは、相続税申告後1〜2年後に税務署が申告内容を確認する調査のことです。

税理士が税務調査を意識した対応を事前に行うことで、申告時に不備があっても問題を最小限に抑えられます。税務調査リスクを減らし、節税もしながら適切に申告を行ってくれる税理士選びが必要です。

相続税の相談ができる税理士の探し方4つ

相続税の相談ができる税理士の探し方として、インターネットの活用が挙げられます。また、知人から紹介してもらったり、税理士会・商工会議所の税務相談に行ったりするのもよいでしょう。日本税理士会連合会のホームページで探す手もあります。

1.インターネットを活用する

手軽に探す手段として、インターネット検索を活用する方法があります。地域名や専門分野を絞り込むことで特定の税理士が見つかり、経歴や口コミを確認して判断しやすいのがメリットです。

ただし、インターネット検索で上位表示された税理士が、必ずしも優れているとは限りません。

2.知人から紹介してもらう

知人から税理士を紹介してもらうのも有効です。事前にその税理士の実力や人柄を把握できるのが利点といえるでしょう。なかには対応に融通を利かせてくれるケースもあります。

ただし、相性は慎重に確認することが大切です。万が一合わなかった場合は断りにくくなることや、情報漏洩のリスクがゼロではないことに注意しましょう。

3.税理士会や商工会議所の税務相談に行く

税理士会や商工会議所で実施されている税務相談を利用し、相性のいい税理士を見つける方法もあります。税理士会や商工会議所では、税理士と直接会って無料で相談が可能です。よって、実際の対応や相性を確認しやすいメリットがあります。

ただし、他の税理士と比較するのが困難な点や、時間がかかる可能性がある点はデメリットです。

4.日本税理士会連合会ホームページで探す

日本税理士会連合会ホームページの税理士情報検索サイトを利用するのも一つです。国税庁のホームページでも紹介されており、信頼性の高いサービスといえるでしょう。日本税理士会連合会に登録された税理士・税理士法人の情報をもとに掲載されています。

相続税申告を税理士に依頼|報酬額の相場は?

相続税の申告を税理士に依頼する場合、報酬額は遺産総額の0.5〜1.0%が相場です。たとえば遺産総額が1億円だった場合、税理士報酬は50〜100万円となります。

ただし、報酬体系は事務所によって異なり、作業内容や条件によっても変動します。相続人が多い場合や申告作業に予想以上の手間がかかった場合などは、加算報酬が発生することも。

税理士報酬は相続税の申告後に確定するケースが多いため、想定外の金額にならないよう事前に確認しておくことが大切です。

税理士に無料相談をするときの注意点

税理士に本格的に依頼する前に、無料相談を利用してみる場合もあるでしょう。その際、相談時間が限られていること、踏み込んだアドバイスは受けられない点に注意しましょう。

相談時間が限られている

無料相談には時間制限があり、限られた時間内で有効な情報を得なければなりません。相談時間は通常20〜30分程度で、長くても1時間以内です。

時間内に相談内容を伝えることはもちろん、アドバイスを受けるためには質問を具体的にしておくことが重要です。

踏み込んだアドバイスは受けられない

無料相談では基本的なアドバイスにとどまり、複雑な問題や実際の手続きは有料となります。踏み込んだアドバイスは得られないことをあらかじめ理解しておきましょう。

無料相談は、簡単な情報収集や税理士との相性チェックとして活用するのがおすすめです。

税理士との相談で準備すべきこと

税理士に相談する前に、相談内容をメモに整理し、資料をわかりやすくまとめておくとよいでしょう。

相談内容をメモにまとめておく

税理士に相談する際、事前に聞きたいことをメモにまとめておくと、時間を有効活用できます。相談の際に頭が真っ白になったり、資料が手元にないため即答できなかったりすると、思うように話が進みません。

質問内容を簡潔にまとめたメモを税理士に渡すことで、不明点をスムーズに理解してもらい、的確なアドバイスが得られます。なお、情報提供は偽りなく正確に行いましょう。

資料をわかりやすくまとめておく

税理士に相談する前に、関連する資料をわかりやすくまとめておくことも大切です。事前に整理したうえで書類を持参することで、税理士は相談者の状況を正確に把握できます。

相談が効率よく進み、よりよいアドバイスが受けられるでしょう。

相続税申告は適切な税理士に相談しよう

相続税の申告は税理士に依頼します。税理士を選ぶときはインターネット検索や税務相談を利用しながら、実績や報酬額の適正性を確認するとよいでしょう。無料相談では、質問内容や資料をまとめておくと安心です。自分に合った税理士を選択することで、スムーズに手続きを進められます。

監修

佐々木総合法律事務所/弁護士

佐々木 秀一

弁護士

1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。

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