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エンディングノートの基本|メリットや書く内容、注意点までやさしく解説

2025.11.13

エンディングノートは、もしものことがあったときに備え、自分や家族のために必要な情報やメッセージを残しておくためのノートです。とはいえ、そもそも書いたほうがいいのか、どのように書くのか迷う方も多いでしょう。

本記事では、エンディングノートのメリットや書く内容をやさしく解説しています。注意点まで紹介しているので、書くべきか迷っている方は参考にしてみてくださいね。

エンディングノートとは

自分にもしものことがあったときのために、必要な内容を書き残しておくのがエンディングノートです。法的拘束力はないため遺言書の代わりにはなりませんが、遺された家族に向けて自由に記載できます。まずエンディングノートの基本を押さえておきましょう。

基本情報と自分の想いを記すノート

エンディングノートとは、自分にもしものことがあったときに備えて、家族や大切な人に伝えておきたい情報や想いを書き残すためのノートのことです。財産の情報や介護・葬儀に関する希望、親しい人への感謝の言葉などを自由に書き込めます。

市販の専用ノートを使うのはもちろん、PDF形式の無料フォーマットをダウンロードしたり、普通のノートやExcelにまとめたりするだけでも問題ありません。

また何歳から書くといった決まりもなく、若い人向けにWebサービスやアプリで残せるエンディングノートもあります。気軽に書き始められて、何度も書き直せるのが特徴です。

遺言書の代わりになる?

エンディングノートは遺言書の代わりにはなりません。遺言書のように法的拘束力や厳格な作成ルールがなく、仮に「孫に全財産を渡したい」と書いても、そのとおりに相続される保証はありません。

エンディングノートは「想いや希望を伝える記録」、遺言書は「財産の配分を決める法的文書」と役割が異なるため、両方をうまく使い分けることが大切です。

エンディングノートを作成するメリット3つ

エンディングノートを作成しておくと、家族の負担軽減につながります。また現状の把握や備忘録、自分の想いや希望を伝えるツールとして活用することも可能です。ここではエンディングノートの作成メリットを3つ紹介します。

1.家族の負担軽減につながる

エンディングノートに必要な情報を整理しておけば、遺された家族の負担を大きく減らせます。例えば口座や保険の手続き先、葬儀やお墓の希望などをまとめておくことで、「何をすればよいのか」がすぐわかり、探す手間や迷いを防げるでしょう。

生死や財産に関わることは、親族間で意見が食い違いトラブルになることもあります。エンディングノートで意思を明確にしておくことで、家族が安心して手続きを進める助けとなるはずです。

2.現状の把握や備忘録として活用できる

エンディングノートに資産や経済状況を書き出すことで、自分の現状を客観的に把握することが可能です。例えば口座や不動産などを整理すれば、相続への備えにも役立ちます。

また「どんな最期を迎えたいのか」という想いも記録することで、自分の価値観を見直し、余生をより充実させるヒントになるでしょう。

さらに住所録やパソコンのパスワードなど、日常で忘れがちな情報もまとめておけば、備忘録として活用できます。

3.自分の想いや希望を伝えられる

エンディングノートは、自分の想いや希望を家族に伝える場としても有効です。普段はなかなか口にできない感謝の言葉や、大切な人へのメッセージを書き残すことで、自分の気持ちを形にできます。

思い出を共有したり気持ちを表現したりすることは、家族への大切なギフトになるでしょう。

エンディングノートに書くとよい内容7項目

エンディングノートを家族に有効に活用してもらうためには、必要な情報が書かれていることが大切です。ここでは、エンディングノートに書いておくとよい7つの項目について解説します。

1.自分の基本情報

【記載内容】

  • ・氏名・生年月日
  • ・家族関係(両親・兄弟姉妹・子どもなど)
  • ・緊急連絡先
  • ・本籍地
  • ・血液型
  • ・身分証明書や年金証書の保管場所
  • ・運転免許証番号、健康保険証番号、マイナンバーなど
  • ・学歴・職歴・資格
  • ・趣味・特技、好きな食べ物

まずは自分自身の基本情報を記しておきましょう。主に上記のような内容を書いておくと、家族や介護者が日常生活やいざというときの対応に困らずに済みます。

2.資産・財産

【記載内容】

  • ・預貯金口座や証券口座の情報
  • ・保険契約(生命保険・医療保険、契約先や受取人)
  • ・不動産(所在地・地番・家屋番号)
  • ・自動車(車検証や登録番号)
  • ・貴金属や美術品、その他の資産(著作権・会員権など)
  • ・ローンや借金(住宅ローン、カードローンなど)
  • ・クレジットカード情報(契約会社、支払口座)
  • ・保証人になっている契約の有無

資産や財産の情報も整理しておくと、相続や財産分与の際に家族がスムーズに手続きできます。

3.ペット

【記載内容】

  • ・名前
  • ・年齢
  • ・性別
  • ・性格や特徴
  • ・好きな食べ物・ペットフード
  • ・健康状態や持病、ワクチン接種状況
  • ・ペット保険の加入状況
  • ・かかりつけの動物病院や獣医の連絡先
  • ・自分の死後に引き取ってほしい人や団体
  • ・餌や生活のルーティン、注意点など

ペットも家族の一員です。遺された家族や里親がスムーズに世話できるよう、できるだけ詳しく情報をまとめておくとよいでしょう。

4.医療・介護の希望

【記載内容】

  • ・持病やアレルギーの有無
  • ・常用薬や服薬スケジュール
  • ・緊急時の連絡先(かかりつけ医や家族など)
  • ・延命治療や緩和ケアの希望
  • ・介護の希望(自宅・施設など)

判断能力が低下する前に、医療や介護の希望を具体的に書き残しておくと、家族の心理的な負担が軽減されます。

5.葬儀・お墓の希望

【記載内容】

  • ・希望する葬儀の形式(宗派・宗教・規模・場所・喪主など)
  • ・遺影の写真
  • ・棺に入れてほしいもの
  • ・葬儀に呼んでほしい人・呼んでほしくない人
  • ・葬儀社や互助会の情報(会員制度、積立金など)
  • ・お墓の場所や種類(納骨堂、散骨、樹木葬など)

葬儀やお墓に関することなど亡くなった後のことも記載しておくことで、家族が迷わずに準備を進められます。

6.家族や友人へのメッセージ

家族や友人に伝えたい想いを書いておくのもおすすめです。日頃言えなかった「ありがとう」はもちろん、写真を添えて思い出やエピソードを形に残すのもよいでしょう。エンディングノートは家族や友人に安心や温かい気持ちを届けるツールでもあります。

7.ID・パスワード・解約が必要な手続き

万が一のときに家族が対応できるよう、スマホやパソコンのログイン情報、WebサイトやSNSのID・パスワードもまとめておきましょう。

また公共料金の自動引き落としや査定後の自動更新は、死後も引き落としされる可能性があります。不要なものは事前に解約しておき、必要な情報はエンディングノートに書いておくと安心です。

エンディングノート作成時の注意点3つ

エンディングノートは法的拘束力を持たないことに注意し、暗証番号などの重要な情報は書かないようにしましょう。またノートの保管場所を家族に知らせておくことも大切です。

法的拘束力はない

エンディングノートはあくまで自分の希望や想いをまとめるためのものであり、法的拘束力はありません。書いた内容が実際に相続に反映されるわけではないので注意しましょう。

相続や財産分与について確実に法的拘束力を持たせたい場合は、遺言書を別途作成するのが有効です。

銀行口座やキャッシュカードの暗証番号は書かない

エンディングノートには、銀行口座やキャッシュカードの暗証番号などは書かないようにしましょう。ノートは紛失や盗難のリスクがあり、悪用される可能性があります。通帳やキャッシュカードと一緒に保管するのも避けてください。

重要な情報は、信頼できる人だけがわかる合言葉や暗号を使うと安心です。

保管場所を家族に伝えておく

エンディングノートは先述のとおり安全に管理する必要がありますが、家族が確実に見つけられるようにすることもポイントです。家族に知られなければ、伝えたい情報や思いが届かず本末転倒になります。ノートの存在と保管場所は事前に家族に共有しておきましょう。

エンディングノートを気負わずに書くコツ

エンディングノートは書き方に決まりがないため、気負わず自由に書いてみましょう。メモ感覚で書き始めたり、書きやすい項目から進めたりすることで、自然に自分の希望や気持ちを整理できます。

空欄があっても大丈夫です。迷ったときは家族と相談しながら書くことで、見落としや誤解を防げます。完璧を目指さず、書けるところから取り組んでみるのが、エンディングノートを仕上げるコツです。

自分と大切な人のために、エンディングノートを書いてみよう

エンディングノートは、自分と家族の安心をつなぐツールです。書くのは少し勇気がいりますが、大切な人のために今から残してみませんか。

監修

佐々木総合法律事務所/弁護士

佐々木 秀一

弁護士

1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。

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