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空き家を売却する方法|流れ・費用・税金・注意点までわかりやすく解説

2026.02.02

空き家を手放したいと思っても、何から始めれば良いのか分からず不安になりがちです。スムーズに売却を進めるには、全体の流れやかかるコスト、注意点をあらかじめ把握しておくことが大切。

この記事では、空き家を売却する方法、手続きの流れ、かかる費用や税金、売却時の注意点までをわかりやすく解説します。

相続した空き家を売却する4つの方法

空き家を売却する方法にはいくつかあり、物件の状態や売却の目的によって適した手段は異なります。ここでは、主な4つの売却方法について、それぞれの特徴や注意点をわかりやすく紹介します。

1.そのままの状態で売却する

空き家に手間や費用をかけずに処分したい場合は、そのままの状態で売却する方法が向いています。古家付き土地や中古戸建として売却することで、リフォームや解体にかかる費用を省けます。

ただし、築年数が古い物件では売却価格が下がる可能性があり、購入後に不具合が見つかると契約不適合責任を問われることも。また、実家など思い入れのある家を手放す精神的な負担も小さくありません。

私物の片付けや仏壇の移動など、心の整理と実務的な準備の両方が求められます。

2.解体して更地として売却する

「できるだけ高く、早く売りたい」と考えている場合は、更地にしてから売却する選択肢もあります。建物がないことで土地としての利用の幅が広がり、購入希望者の層も増える傾向があります。

ただし、解体費用は売主の負担となるため、相場や自治体の補助金制度を事前に確認しておくことが大切です。

また、解体のタイミングにも気を付ける必要があります。住宅が建っている土地は固定資産税が最大6分の1に軽減されますが、1月1日時点で更地になっているとその軽減措置が適用されず、税額が大幅に上がってしまいます。そのため、解体は1月1日を過ぎてから行うのが望ましいでしょう。

さらに、庭石やブロック塀、地中埋設物などの処理も見積もりに含まれているかどうか、解体業者にしっかり確認することが重要です。

3.リフォーム・リノベーション後に売却する

購入希望者に良い印象を与えたい場合は、空き家をリフォーム・リノベーションしてから売却する方法があります。

壁紙や水回りなどを一新することで、内覧時の第一印象が良くなり、購入意欲を高める効果が期待できます。リフォームにかかった費用を販売価格に上乗せすることで、利益が出るケースも。

ただし、工事期間中は売却活動ができず、費用も先に発生します。また、リフォーム内容が買主の好みに合わなければ、かえって売れ残るリスクもあります。改修の方向性を見誤らないよう、地域の需要やターゲット層を意識して、無理のない内容にすることがポイントです。

4.不動産会社に買い取ってもらう

手間をかけずに早く現金化したい場合は、不動産会社に買取を依頼するのも一つの方法です。内見対応や価格交渉が不要で、早ければ1ヵ月程度で売却が完了します。仲介手数料もかからず、契約不適合責任を問われにくい点でも安心感があります。

一方で、買取価格は市場価格よりも2〜3割程度安くなるのが一般的です。それでも、空き家の状態が悪い場合や、なかなか買い手が見つからない場合には現実的な選択肢となるでしょう。

相続した空き家を売却する基本的な流れ

相続した空き家を売却するには、いくつかのステップを順を追って進めていきます。空き家売却の基本的な流れは以下のとおりです。

  1. 1.相続登記で名義を変更する
  2. 2.複数の不動産会社に査定を依頼し、相場を把握する
  3. 3.媒介契約を結び、売却活動を開始する
  4. 4.購入希望者と売買契約を締結する
  5. 5.決済を行い、物件を引き渡して完了する

専門的な知識が必要な場合もあるため、不動産会社や司法書士などの専門家に相談しながら進めると安心です。

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相続した空き家の売却にかかる主な費用と税金

相続した空き家を売却する際には、さまざまな費用や税金が発生します。譲渡所得税を始めとする税金の他、登記や契約に関わる諸費用、不動産会社への仲介手数料など多岐にわたる負担が想定されます。

事前に必要な費用を把握して、売却後の手取り額や資金計画を明確にしておきましょう。

譲渡所得税・住民税・復興特別所得税

空き家の売却で利益(譲渡所得)が出た場合には、譲渡所得税、住民税、復興特別所得税が課されます。所有期間が5年以下の場合は、「所得税30%+住民税9%+復興特別所得税0.63%」で、合計39.63%の税率が適用される仕組みです。

一方、5年を超えると「所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%」となり、合計20.315%まで軽減されます。復興特別所得税は所得税の2.1%として計算され、2013年から2037年までの適用です。確定申告は売却翌年の2月16日から3月15日までの期間内に行う必要があります。

登録免許税・司法書士報酬

空き家を売却するには、まず所有者を相続人に変更する相続登記が必要です。この登記に際しては、登録免許税として固定資産税評価額の0.4%が課税されます。

手続きは自分で行うことも可能ですが、一般的には司法書士に依頼するケースが多く、その報酬として4〜5万円ほどかかります。加えて、戸籍謄本や住民票などの取得費用も必要となるため、必要書類はあらかじめまとめて準備しておくとスムーズです。

印紙税

売買契約書には、契約金額に応じた印紙税が必要です。

例えば、1,000万円の契約であれば1万円、3,000万円なら2万円の印紙を貼付する必要があります。2024年3月末までは一部契約に軽減措置が適用されているため、契約時期によっては負担が軽くなる可能性もあります。

印紙は契約書の原本ごとに必要になるため、売主・買主双方での確認が欠かせません。

仲介手数料

不動産会社に仲介を依頼して売却を進める場合、仲介手数料が発生します。上限は「売却価格×3%+6万円(税別)」が一般的な基準で、例えば1,500万円で売却した場合には、51万円に加えて消費税が必要です。この仲介手数料は、契約時と決済時の2回に分けて支払うケースが多くなっています。

解体費

空き家を更地にして売却する場合は、解体工事にかかる費用も見込んでおく必要があります。木造住宅であれば1坪あたり4〜5万円が相場で、延べ30坪の家なら120〜150万円程度が目安です。さらに、庭石やブロック塀、地中埋設物の処理、アスベストの除去などが必要な場合には、追加の費用が発生します。

リフォーム費

空き家をリフォームして売却する場合、改修内容に応じて費用が発生します。壁紙の張り替えや水回りの交換といった軽度な工事であれば数十万円、本格的なリノベーションとなると数百万円に及ぶこともあります。

ただし、リフォームをしても希望価格で売れるとは限らず、費用が回収できないリスクもあるため注意が必要です。場合によっては、最低限の修繕にとどめて売却するのも現実的な選択肢と言えます。

相続した空き家の売却で利益が出たら控除の活用も視野に入れる

相続した空き家を売却して利益が出た場合、譲渡所得税の課税対象になりますが、一定の条件を満たせば「3,000万円の特別控除」を受けられ、税負担を大幅に軽減できます。

この特例は、被相続人が一人暮らしだった住宅や、老人ホームに入居していた家屋などを対象としていて、売却までに解体が行われ、建物がなく土地だけの場合でも認められることがあります。

ただし、適用には期限や細かな要件が定められているほか、提出すべき書類も多くありますので、売却前に必ず制度の最新情報を確認しておくことが重要です。

国税庁「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」

相続した空き家を売却する際の注意点

相続した空き家をスムーズに売却するには、事前の確認や計画が欠かせません。特に名義の問題や売却までに必要な手続き、時間の見積もりについては慎重に対応する必要があります。最後に、注意すべきポイントを詳しく解説します。

相続登記や名義変更を必ず確認する

空き家を売却できるのは、登記簿上の名義人本人に限られます。そのため、相続登記が済んでいなければ売却活動自体ができない点に注意が必要です。2024年4月からは相続登記が義務化されていて、手続きを怠ると過料の対象になる可能性もあります。

また、相続人が複数いて共有名義になっている場合は、全員の同意がなければ売却は成立しません。登記簿の内容を事前に確認し、必要な手続きは早めに済ませておくことが、スムーズな売却につながります。

売却スケジュールには余裕をもつ

空き家の売却には、査定から内覧、契約交渉、登記手続きまで多くのステップがあり、短期間で売却するのは難しいのが実情です。最低でも3〜6ヵ月程度の余裕を見込んでおきましょう。

特に相続不動産では、名義の確認や共有者との調整などに時間がかかるケースが少なくありません。焦って売却を進めると価格交渉で不利になり、想定よりも安く手放す結果になってしまうこともあります。適正な価格設定や売却戦略を立てるためにも、事前に計画を立てて余裕をもって進めることが重要です。

空き家の売却に悩んだら不動産と相続に強い専門家に相談を

空き家の売却には、名義変更や税金、解体・リフォームの判断など、専門的な知識が求められる場面が多くあります。

判断を誤るとコストや手間が増えることもあるため、不安があれば不動産と相続に詳しい専門家に相談するのが得策です。的確なアドバイスを受けながら進めることで、納得のいく売却につながります。

監修

佐々木総合法律事務所/弁護士

佐々木 秀一

弁護士

1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。

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