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戸籍謄本はどこまで必要?不動産相続で必ず準備したい書類と取得方法を解説

2025.12.26

不動産相続では、相続人を正確に確定し、登記や金融機関の手続きを進めるために戸籍謄本を揃えることが欠かせません。

特に、被相続人の出生から死亡までの戸籍一式と、相続人全員の現在戸籍が不足していると、相続登記や銀行手続きが進まず、手続きが滞る可能性があります。

本記事では、相続で必要となる戸籍の種類と取り寄せる範囲、取得方法、書類が揃った後に進める不動産相続の流れをわかりやすく解説します。

相続で戸籍謄本が必要になる理由

相続は「誰が相続人になるのか」を確定するところから始まります。

相続人を正確に確定するため

戸籍に記載される主な情報は次のとおりです。

  • 出生・婚姻・離婚の履歴
  • 認知した子の有無
  • 養子縁組の履歴

戸籍収集を誤ると相続人の漏れが発生し、遺産分割をやり直すリスクがあります。

遺言書との整合性を確認するため

遺言書(自筆証書遺言)が残されている場合、家庭裁判所での検認が必要になります。

その際、遺言書の記載と戸籍に基づく相続人の範囲が一致しているかを確認します。

婚姻歴が複数ある、疎遠な家族がいる、認知した子がいるなどのケースでは、戸籍をさかのぼって確認しなければ相続人を正しく確定できません。

戸籍謄本を取得し、相続人の範囲を明確にしておくことが、遺言書の検認や後のトラブル防止に役立ちます。

不動産登記や金融手続きで必要なため

相続に関する手続きの多くで戸籍謄本の提出が求められます。

  • 不動産の相続登記
  • 銀行預金の名義変更
  • 証券会社の相続手続き
  • 相続税申告

特に相続登記は2024年4月から義務化され、相続人は不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請しなければなりません。

戸籍が揃っていないと申請できないため、早めの準備が重要です。

しかし相続人確定の段階で戸籍の範囲に迷う方は多く、「どの戸籍をどこまで取得すべきか」を誤ると、相続登記や遺産分割が進まないケースも見られます。

住栄都市サービスでは、不動産相続に必要な書類整理から全体の進め方までサポートする体制が整っており、初めてでも安心して手続きを進められます。

相続に必要な戸籍謄本の種類と取り寄せる範囲

相続では、被相続人の出生から死亡までをさかのぼれる戸籍一式を揃える必要があります。

家族構成や相続人の状況によって取得すべき書類が変わるため、戸籍の種類を理解しておきましょう

被相続人の出生から死亡までの戸籍一式

不動産相続では、以下の「出生から死亡までのすべての戸籍」が必要です。

  • 現在の戸籍(死亡の記載があるもの)
  • 旧本籍地で作成された旧戸籍
  • さらに古い改製原戸籍
  • 全員が除かれた除籍謄本

転籍を繰り返している方や本籍地を複数回変更している方は、必要な枚数が多くなる傾向があります。

相続人全員の戸籍謄本

相続人が「現在どの戸籍に属しているか」を確認するため、全相続人の現在戸籍が必要になります。

  • 現在戸籍(戸籍全部事項証明書)
  • 結婚や転籍で戸籍が分かれている場合、そのつながりがわかる戸籍

相続人が被相続人の戸籍に含まれている場合は、別途取得する必要はありません。

改製原戸籍・除籍謄本が必要なケース

相続内容によっては、改製原戸籍除籍謄本が必須となるケースもあります。

該当する主な例は次のとおりです。

  • 本籍地を複数回変更している
  • 婚姻歴が複数ある
  • 認知した子どもがいる
  • 古い戸籍の記載が新しい戸籍に引き継がれていない

昭和以前生まれの方の場合は、古い戸籍が複数枚必要になることが多いです。

婚姻歴や認知歴がある場合の追加戸籍

婚姻・認知の情報が別の戸籍に残っている場合は、追加で取得が必要です。

  • 前婚相手との婚姻・離婚が別戸籍
  • 認知した子の本籍地が変更されている
  • 養子縁組の記録が別戸籍

これらを見落とすと、後から相続人が追加され「遺産分割のやり直し」につながる恐れがあります。

相続手続きのための戸籍謄本の取り寄せ方法

戸籍謄本は本籍地の自治体で管理されています。ここでは、戸籍謄本の取得方法を紹介します。

市区町村の役所窓口での請求

役所の窓口で申請する方法で、必要な戸籍が複数ある場合でも担当者に確認しながら取得できます。

【準備するもの】

  • 戸籍証明書交付申請書
  • 本人確認書類
  • 手数料(戸籍450円/除籍等750円が目安)
  • 必要に応じて「被相続人との関係がわかる書類」

代理人が請求する場合は、委任状が別途必要になるため事前に確認しましょう。

郵送での請求

遠方に住んでいる場合や役所へ行く時間がない場合に便利な方法です。

【準備するもの】

  • 申請書
  • 本人確認書類のコピー
  • 定額小為替(手数料分)
  • 返信用封筒
  • 請求理由を示す資料

自治体のフォーマットに沿って記入したうえで郵送します。

取り寄せには日数がかかるため、余裕を持って申請しましょう。

オンライン請求

本籍地が対象の市区町村の場合に利用できます。

【特徴】

  • 24時間申請可能
  • マイナンバーカードが必要
  • 郵送よりも早い場合がある
  • ただし相続に必須の除籍・改製原戸籍はオンライン不可

24時間申請でき、忙しい人にとって利用しやすい方法といえます。

コンビニで取得

全国のマルチコピー機が設置されているコンビニ利用できます。

【特徴】

  • 役所の開庁時間外や休日でも取得可能
  • 手数料が窓口より安い場合もある(自治体による)
  • 事前の利用登録が必要な場合がある

ただし自治体の対応状況によって利用できない場合があるため、確認が必要です。

代理人による取得

相続人が高齢・遠方など、自身での請求が難しい場合は代理取得が可能です。

【準備するもの】

  • 委任状
  • 委任者の本人確認書類のコピー
  • 代理人の本人確認書類
  • 必要に応じて「相続関係がわかる書類」

戸籍が複数の自治体に分かれている場合には、代理取得のほうが効率的でしょう。

必要な戸籍謄本を揃えた後に行う相続手続き

戸籍の収集が完了したら、次は相続の実務手続きに進みます。

不動産が含まれる場合、手続きは複数の機関にまたがるため流れを把握しておくとスムーズです。

遺言書の確認と相続人調査

戸籍が揃った時点で、まず行うべきことは「遺言書の確認」です。

遺言書の内容によって相続方法が大きく変わるため、最優先で確認します。

遺言書で確認すべき点は次のとおりです。

  • 公正証書遺言があるか
  • 自筆証書遺言が法務局に保管されていないか
  • 自宅から遺言書が見つかった場合、家庭裁判所で検認が必要か

遺言書の確認が終わったら、戸籍一式をもとに相続人の範囲を確定します。

この段階で相続人に漏れがないかを慎重に確認しておくと、後のトラブルを防ぎやすくなるでしょう。

不動産の相続登記に必要な書類の準備

不動産を相続した場合は、法務局で相続登記(名義変更)を行います。

相続登記に必要な主な書類は次のとおりです。

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 相続人全員の現在戸籍
  • 被相続人の住民票の除票
  • 不動産を取得する相続人の住民票
  • 固定資産評価証明書
  • 遺産分割協議書(協議を行った場合)
  • 相続人全員の印鑑証明書

書類の種類が多いため、不足が生じないよう慎重に進めましょう。

相続財産の評価と相続税申告の準備

相続財産に不動産が含まれる場合は、その評価額によって相続税額が大きく変わります。

不動産の評価に影響するポイントは以下のとおりです。

  • 土地の形状(不整形地・旗竿地など)
  • 接道状況(間口の狭さや道路との高低差)
  • 建物の利用状況(貸家・空き家など)

市場価格と相続税評価額の間に差が生じることも多く、正確な判断には専門知識が欠かせません。

しかし、不動産に精通していない税理士に依頼すると、本来下げられるはずの評価を適切に減額できず、相続税が過大になるおそれがあります。

このような事態を避けるため、不動産評価の実績が豊富な税理士などの専門家に相談するとよいでしょう。

まとめ

相続で戸籍謄本が必要になるのは、相続人を確定し、不動産登記や金融機関での手続きを進めるために欠かせない資料だからです。

特に不動産相続では、被相続人の出生から死亡までの戸籍一式と、相続人の現在戸籍を正確に揃えなくてはなりません。

戸籍収集のあとは、以下のさまざまな工程が続きます。

  • 遺言書確認
  • 相続人確定
  • 相続登記
  • 不動産評価・相続税申告
  • 売却手続き

必要書類の把握と適切な専門家への相談は、手続きを安心して進めるための大きな支えとなり、相続全体の負担軽減にもつながります。

「どの書類を準備すべきか」「手続きの進め方がわからない」という方は、早めのご相談をおすすめします。ぜひ住栄都市サービスまでお気軽にお問い合わせください。

監修

佐々木総合法律事務所/弁護士

佐々木 秀一

弁護士

1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。

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