不動産を相続したら、不動産相続専門の税理士に相談を!売却で損をしないための完全ガイド
2025.11.03

親族から不動産を相続したものの、手続きや税金について何から始めればよいかわからず、不安を感じていませんか。
相続税の申告期限は、相続開始から10か月以内と法律で定められています。
期限を過ぎると延滞税や加算税が課される場合もあるため、早めの対応が大切です。
本記事では、不動産相続で税理士に相談するメリットや必要性、依頼するタイミング、かかる税金の種類、具体的な手続きの流れをわかりやすく解説します。
目次
相続した不動産の売却に税理士は必要?自分でできる?

相続した不動産を売却する際、税理士への依頼は必須ではありません。
しかし、税金計算の複雑さや申告漏れのリスクを考えると、専門家のサポートを受けるメリットは大きいといえます。
ここでは、税理士に依頼すべきケースと自分で対応できる場合について見ていきましょう。
相続税申告が必要なケース
相続税の申告が必要なのは、相続財産の合計が基礎控除額を超える場合です。
基礎控除額は次の計算式で求められます。
3,000万円+600万円×法定相続人の数
たとえば相続人が3人なら、基礎控除額は4,800万円です。
遺産総額がそれ以下であれば申告は不要ですが、配偶者控除や小規模宅地等の特例を使う場合は、税額がゼロでも申告が必要です。
なお、名義変更や遺産分割そのものは申告義務の要件ではありませんが、適正な不動産評価や特例の可否判断のために、税理士へ相談するとスムーズです。
相続した不動産を売るなら税理士に依頼すべき理由
不動産は現金と違い評価が複雑で、申告内容によっては数百万円単位の差額が生まれる場合があります。
専門知識がない状態で自己判断すると、本来受けられる減額制度を見落としたり、逆に過少申告でペナルティを課されたりするリスクがあります。
主に以下のケースでは、専門家のサポートが必要です。
- ・不動産や株式など、評価が必要な資産がある
- ・相続人が複数いて分割が複雑
- ・特例を利用して節税したい
- ・税務調査や誤申告のリスクを避けたい
正確な財産評価と節税対策を実現するためには、相続税に強い税理士への相談が欠かせません。
特に土地評価は専門的な判断が求められる領域といえます。
不動産を売却するときに知っておきたい3つの税金と節税ポイント

相続した不動産を売却する際には、3種類の税金が発生する可能性があります。
それぞれの仕組みを理解し、節税ポイントを押さえると、手元に残る金額を増やせるでしょう。
ここでは、売却時にかかる税金と節税対策を解説します。
不動産売却でかかる基本の税金|譲渡所得税と住民税
不動産売却で利益が出ると、譲渡所得税と住民税がかかります。
課税対象となる譲渡所得は、次の式で計算します。
譲渡所得金額=収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額
また、税率は所有期間によって変わります(売却年の1月1日時点で判定)。
わずかに所有期間が足りないだけで税率が倍近くなることもあるため、確認は慎重に行いましょう。
| 区分 | 所有期間 | 税率(所得税+住民税+復興特別所得税) |
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 20.315% |
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 39.63% |
相続税を支払った人が使える「取得費加算の特例」
相続税を納めた人は、「取得費加算の特例」を使える可能性があります。
支払った相続税の一部を取得費に加算できるため、譲渡所得が減り、所得税や住民税の負担を軽減できる仕組みです。
適用には、相続税の申告期限(相続開始から10か月)から3年以内、すなわち相続開始日の翌日から3年10か月以内の売却が必要です。
期限を過ぎると特例は使えません。
早めに税理士へ相談すると、数百万円単位の節税が実現できるケースもあります。
最大3,000万円の控除が使える「空き家特例」
被相続人(亡くなった人)が住んでいた家を売る場合、要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる「空き家特例」があります。
適用されると、譲渡益が3,000万円以下であれば税金がかからないという非常に有利な制度です。
主な適用条件は次のとおりです。
- ・昭和56年5月31日以前に建築された住宅である
- ・相続から3年以内に売却している
- ・耐震基準を満たす、または取り壊して売却している
- ・売却価格が1億円以下
条件を満たしているかどうかは細かい判定が必要なため、税理士に確認しておくと安心です。
不動産相続で税理士に相談する5つのメリット

不動産の評価や申告手続きは複雑で、知識がないまま進めると損をするリスクがあります。
税理士に相談することで、次の5つのメリットがあります。
不動産の正しい評価で相続税を節税できる
同じ土地でも、評価の仕方によって相続税額は大きく変わります。
土地の形状や立地条件による減額制度に詳しい税理士に相談すれば、数百万円単位で税金を抑えられるケースもあります。
住栄都市サービスなら、不動産相続に強い税理士に無料で相談ができるため、節税のチャンスを逃しません。
税務調査のリスクを減らし安心して申告できる
自己申告では誤記や計算ミスが起こりやすく、税務調査の対象になることもあります。
税理士が作成・署名した申告書は、税務署からの信頼度が高く、調査リスクを大幅に下げられます。
万が一調査が入っても、税理士が立ち会って対応してくれるため安心です。
複雑な書類や手続きをすべて任せられる
相続税の申告には、膨大な書類の収集と複雑な計算が必要になりますが、税理士に依頼すれば、申告書の作成・書類整理・税務署対応を一括で任せられます。
10か月の申告期限内にスムーズな申告を実現するためにも、早めの相談が有効です。
家族の将来まで考えた遺産分割の提案がもらえる
税理士は、今回の相続だけでなく、配偶者が亡くなるときの二次相続まで考慮したアドバイスをします。
配偶者控除を使いすぎると、次の相続で子どもの税負担が増えるケースもあるため、家族が余計な税金を払わずに済むような分割方法を提案することが重要です。
精神的な負担を減らし、安心して進められる
相続直後は、悲しみのなかで複雑な税金手続きを進めなければならず、精神的な負担を伴います。
税理士に任せれば、「計算ミスがないか」「申告が間に合うか」といった不安から解放され、安心して次の手続きに進めるでしょう。
税理士費用の相場と追加費用の目安

ここでは、税理士費用の一般的な相場と、追加でかかる可能性のある費用について解説します。
税理士報酬はいくら?相続税申告の費用相場
税理士報酬は遺産総額によって変動しますが、一般的な相場は以下のとおりです。
| 遺産総額 | 税理士報酬の相場 |
| 5,000万円未満 | 20万~30万円 |
| 5,000万円~1億円未満 | 30万~50万円 |
| 1億円~2億円未満 | 50万~100万円 |
| 2億円以上 | 100万円以上 |
不動産の個別評価や非上場株式の評価が必要な場合、別途加算されるケースもあります。
追加費用がかかるのはどんな場合?
税理士に依頼すると、基本報酬に加えて、以下のケースでは追加費用が発生します。
- ・相続人が4人以上いる場合:1人あたり5~10万円
- ・不動産が複数ある場合:1件あたり5万円程度
- ・非上場株式などの評価を含む場合:50万円以上
- ・申告期限まで3か月未満で依頼:基本報酬の20~30%増
相続財産が複雑になるほど、税理士の作業量が増えるため報酬も高くなります。
見積もり時には基本料金に含まれる作業内容を確認し、追加費用の有無を把握しておきましょう。
税理士費用を少しでも安く抑えるコツ
税理士費用を抑えるコツは以下の3つです。
・早めに相談して余裕を持つ
期限まで3か月未満だと、基本報酬の20~30%が加算されるケースが多いです。
・必要書類を自分で集める
戸籍謄本や登記簿謄本、通帳のコピーなど、自分で準備できる書類を揃えておくと、税理士の作業工数を減らせます。
・相続特化型の税理士に依頼する
専門性が高く、作業効率が良いため結果的に費用を抑えやすいです。
不動産相続に強い税理士を選ぶ6つのポイント

不動産相続で失敗しないためには、専門性の高い税理士を選ぶことが重要です。
以下の6つのポイントをチェックしながら、信頼できる税理士を見極めましょう。
- ・相続税の実績件数が多い:年間10件以上が目安
- ・不動産評価に強い:土地の形状や減額要因に精通している
- ・報酬体系が明らか:追加料金の有無を事前に確認できる
- ・二次相続まで考慮した提案:長期的な視点でアドバイスしてくれる
- ・税務調査を意識した対応:調査リスクを抑える申告ができる
- ・説明がわかりやすい:専門用語を使わず丁寧に対応してくれる
相談の際は、「過去にどんな土地案件を担当しましたか?」といった質問をすると、経験値を判断しやすくなります。
税理士に依頼するタイミングと手続きの流れ

税理士への相談は、相続開始後すぐに行うのが理想的です。
申告期限が10か月と決まっており、遅れるとペナルティが発生するためです。
ここでは、依頼すべきタイミングと、相談から申告完了までの具体的な流れを解説します。
いつ相談するのがベスト?依頼のタイミング
相続が発生したら、できるだけ早く相談を開始するのが理想です。
遺産調査・評価・分割協議などに時間がかかるため、遅くとも相続開始から6か月以内には税理士へ依頼しましょう。
相談から申告までの具体的な流れ
相談から申告完了までの流れは以下のとおりです。
1.初回相談・見積もり(相続開始から1~2か月)
相続税がどのくらいかかりそうか、おおよその金額と手続き費用をお伝えします。
2.ご契約・財産の調査(2~4か月)
預貯金通帳、不動産の権利証、保険証券などを集めて、相続財産の全体像を明らかにします。
3.遺産分割のご相談協議サポート(3~7か月)
「誰が何を相続すると税金がいくらになるか」をシミュレーションしながら、最適な分割方法を一緒に考えます。
4.申告書作成・提出(8~10か月)
税務署に書類を提出し、税金を納めて手続き完了です。
このように、目安として全体で8~10か月かかるため、早めの相談をおすすめします。
まとめ
不動産の相続には、税金・評価・申告といった複雑な要素が絡みます。
税理士に相談することで、正確な申告と節税、将来の相続対策まで一貫してサポートを受けられます。
相続が発生したらできるだけ早く、不動産に強い税理士へ相談し、安心できる相続手続きを進めましょう。
不動産の相続や売却、税金のご相談は、相続専門の税理士と連携し、不動産評価から申告までサポートする住栄都市サービスへお気軽にお問い合わせください。
監修
佐々木総合法律事務所/弁護士
佐々木 秀一
弁護士
1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。
