銀行口座は死亡後どうなる?不動産相続の前に知りたい凍結の仕組みや手続きの流れ
2025.12.22

家族が亡くなったあと、「銀行口座はどうなるの?」と不安に感じる方は多いでしょう。
口座が凍結されると、すぐに預金を引き出せず、葬儀費用や生活費の支払いなどに影響することもあります。
本記事では、死亡後に銀行口座が凍結される仕組みや引き出しの手続き、相続までの流れをわかりやすく紹介します。
目次
死亡後の銀行口座が凍結される仕組み

家族が亡くなると、故人名義の銀行口座は「凍結」され、預金の出し入れができなくなります。
この仕組みは不正な引き出しを防ぐためのものですが、凍結のタイミングや影響を知らないと、葬儀費用や生活費の支払いなどに支障が出ることもあります。
ここでは、銀行口座が凍結されるまでの流れと注意点をわかりやすく解説します。
銀行が死亡を把握すると自動的に口座が凍結される
銀行は、家族からの連絡を通じて死亡を把握すると、入出金や振込などのすべての取引を停止します。
市区町村への「死亡届」提出自体が銀行へ自動的に通知されることはありません。
そのため、銀行が名義人の死亡を知る主なきっかけは、家族など関係者からの連絡です。
口座凍結までの一般的な期間と注意点
銀行口座の凍結は、銀行が利用者の死亡を把握した時点で行われます。
確認前であればATMでお金を下ろせることもありますが、死亡を知ったうえでの出金は「不当利得」と判断される可能性があります。
出金後に相続人同士のトラブルへ発展するケースも少なくありません。
さらに、口座が停止されると給与振込や年金、自動引き落としが止まり、生活費を共用していた家族に影響が及ぶため、注意が必要です。
共有口座や名義預金の取り扱い
夫婦や家族で共用していた口座でも、名義人が亡くなるとその預金は名義人の相続財産として扱われます。
名義の扱いを誤ると相続トラブルに発展するおそれがあるため、資金の管理方法を明確にしておきましょう。
死亡後の銀行口座からお金を引き出す際のルール

家族が亡くなったあと、故人名義の銀行口座からお金を引き出すには、相続人であっても一定の手続きが必要です。
ここでは、死亡後に銀行口座からお金を引き出す際の基本ルールと、手続きの進め方をわかりやすく解説します。
名義人死亡後の引き出しは原則として禁止される
名義人が亡くなると、銀行口座は自動的に凍結されます。
凍結後は入金や引き出し、引き落としなどの取引が一切行えません。
口座凍結の措置は、不正な出金や相続をめぐるトラブルを防ぐための重要な仕組みです。
預金を動かすには、相続人が必要書類をそろえ、正式な手続きを行う必要があります。
葬儀費用など例外的に認められる支出とは
多くの銀行では、相続手続きが完了していない場合でも、葬儀費用や入院費、公共料金の支払いなどに限って、一部の預金を引き出せる「仮払い制度」を設けています。
ただし、利用できる金額や条件は銀行によって異なります。
領収書や請求書などの証明書類が求められるケースもあるため、事前に銀行へ確認しておくことが大切です。
口座凍結から解除までの流れ
銀行口座は名義人の死亡が確認されると凍結され、入出金の利用ができなくなります。
凍結を解除するには、相続人全員の同意を得たうえで、戸籍謄本・遺産分割協議書・相続人の本人確認書類などを銀行へ提出をしなくてはなりません。
手続きが完了すると、相続人名義で預金を受け取るか、口座を閉鎖して清算ができます。
書類の不備や相続人間の合意が取れない場合は、手続きに時間がかかるため、早めの準備が重要です。
死亡後の銀行口座を相続するための手続きの流れ

故人の銀行口座を相続するためには、一定の手続きを順番に進める必要があります。
ここでは、手続きの流れや必要書類について見ていきましょう。
相続人の確定と戸籍関係書類の準備
相続の手続きを進めるためには、まず誰が相続人になるのかを明確にすることが大切です。
戸籍謄本や除籍謄本を揃えて、家族関係を証明する必要があります。
婚姻歴や養子縁組があると、思いがけない相続人が見つかる場合もあるため注意が必要です。
正確な確認を行うことで、相続の手続きをスムーズに進められます。
銀行への相続届出と必要書類の提出
相続人が確定したあとは、故人が利用していた銀行に相続の届出を行います。
多くの場合、窓口での手続きが必要となり、いくつかの書類を提出しなければなりません。
提出が求められる主な書類は次のとおりです。
- ・死亡の確認ができる戸籍謄本
- ・相続人全員の戸籍謄本
- ・遺産分割協議書
- ・相続人の本人確認書類
必要書類や手続きの流れは銀行によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。
手続きが完了すれば、相続人名義で預金の引き出しや口座の解約ができるようになります。
相続による口座解約や名義変更の進め方と注意点
銀行口座の相続手続きでは、相続人全員の同意を得て口座を解約し、預金を分配するか代表相続人の名義に変更します。
遺言書がある場合はその内容に従い、遺言書がない場合は遺産分割協議書を作成して進める必要があります。
また、相続税の申告期限は相続開始から10か月以内と定められており、期限を過ぎると延滞税が発生するため注意が必要です。
銀行口座凍結後に必要な他の手続きと注意点

銀行口座が凍結されたあとは、預金の相続手続きに加えて、さまざまな契約の変更や停止手続きも必要になります。
ここでは、凍結後に忘れずに行いたい主な手続きと、預金の種類ごとの注意点を紹介します。
公共料金・税金・年金の引き落とし先を変更する
故人名義の口座から電気・ガス・水道・電話料金、税金などを引き落としていた場合、口座の凍結によって支払いが自動的に止まります。
支払いの遅れや滞納を防ぐため、早めに家族名義の口座へ引き落とし先を変更しましょう。
また、年金や給与の振り込みがある場合は、銀行や年金事務所に連絡し、振込先の変更または停止手続きを行います。
生活に関わる支払いが止まると再開に時間がかかることもあるため、早めの対応が重要です。
クレジットカード・ローン・保険契約の解約や名義変更を行う
クレジットカードやローン、保険契約をしている場合は、カード会社や保険会社へ死亡の連絡を行いましょう。
連絡をしないままにしておくと、引き落としや請求が継続するおそれがあります。
- ・生命保険・医療保険:受取人が給付金請求の手続きを行う
- ・住宅ローン・マイカーローン:契約内容によって残債の扱いが異なるため、契約書を確認する
- ・クレジットカード:ポイントや電子マネー残高がある場合も確認し、解約手続きを行う
契約ごとに提出書類や手続きが異なるため、早めに整理を行うことが大切です。
故人名義の口座を利用していたサービスを確認する
故人名義の口座でネットショッピングやサブスクリプションの支払いを行っていた場合、口座が凍結されると自動引き落としが停止します。
放置すると未払いが発生したり、サービスが停止したりする可能性があります。
そのため、契約していたサービスや会員登録を一つずつ確認し、不要なものは解約、継続が必要なものは支払い方法を変更しておきましょう。
定期購入や有料アプリなどの支払いも見落とさず整理しておくと安心です。
銀行・預金の種類別に見る凍結後の対応ポイント

銀行口座には、普通預金・定期預金・外貨預金など複数の種類があります。
それぞれの仕組みを理解しておくと、手続きをスムーズに進められます。
ネット銀行・ゆうちょ銀行など金融機関別の手続きポイント
ネット銀行はオンラインでの手続きが中心となるため、本人確認の方法やパスワードの管理が非常に重要です。
アカウント情報が不明な場合、手続きの遅れやトラブルにつながるおそれがあります。
一方、ゆうちょ銀行は全国の窓口で手続きができますが、相続確認や書類の審査に数週間を要する場合があります。
金融機関ごとに必要書類や対応期間が異なるため、事前に確認しておきましょう。
定期預金や外貨預金が凍結される場合の注意点
定期預金や外貨預金、投資信託も普通預金と同様に凍結の対象となります。
- ・定期預金:相続手続きが完了するまで満期前の解約は不可
- ・外貨預金:為替レート変動により評価額が変わり、相続税額に影響する場合あり
- ・投資信託:名義変更の手続きが複雑なため、事前に金融機関へ確認が必要
預金の種類によって必要書類や流れが異なるため、早めに準備しておくとよいでしょう。
相続放棄と税金の取り扱いに関する注意点
相続放棄をした人は、故人の財産だけでなく負債も一切引き継ぎません。
そのため、銀行口座の管理や預金の引き出しを行うことはできません。
預金は相続税の課税対象に含まれるため、相続を放棄した人は税務上の手続きにも関与できない仕組みです。
相続放棄を検討する際は、他の相続人との関係や税金面の影響も十分に確認しましょう。
死亡後あわてないために生前から準備できる3つのこと

家族が亡くなったあとに慌てないためには、生前のうちに口座や財産を整理しておくことが大切です。
ここでは、銀行口座の凍結に備えて今からできる3つの準備を紹介します。
口座凍結に備えて家族と情報を共有する
口座の凍結に備えるためには、どこの銀行にどんな目的で口座を持っているのかを整理しておきましょう。
口座の一覧を作成しておくと、万が一のときに手続きをスムーズに進められます。
特にネット銀行や証券口座は、本人しか把握していない場合が多く、資産が見落とされるリスクもあります。
家族が安心して相続の準備を進められるよう、ログイン情報や残高を含めた一覧を共有しておくと安心です。
また、内容は一度作って終わりではなく、定期的に内容を見直し、最新の状態を保つようにしましょう。
生命保険を活用する
相続や口座凍結後の生活資金を確保するためには、生命保険の活用がおすすめです。
保険金は比較的早く受け取れるため、葬儀費用や生活費などの急な出費にも対応ができます。
加入後は、保障内容・受取人・保険証券の保管場所を確認しておきましょう。
受取人がすぐに手続きできるよう、連絡先をメモしておくと安心です。
使っていない銀行口座は解約する
長年使っていない口座や残高の少ない口座は、早めに整理・解約しておきましょう。
不要な口座を整理しておくことで、相続手続きがスムーズになり、家族の負担を軽くできます。
また、解約前には自動引き落としや定期振込の設定を必ず確認しましょう。
残高や引き落としを整理しておくことで、思わぬ支払いトラブルを防げます。
まとめ
銀行口座が凍結されると、相続手続きや資産整理には多くの時間と手間がかかります。
その負担を少しでも減らすためには、生前からの準備と、信頼できる専門家のサポートが欠かせません。
住栄都市サービスでは、不動産相続に強い税理士と連携し、銀行口座を含む相続全体の手続きをトータルでサポートしています。
手続きや税金に不安がある方は、まずは住栄都市サービスの無料相談をご利用ください。
専門家が一人ひとりの状況に合わせて、安心の相続準備をお手伝いします。
監修
佐々木総合法律事務所/弁護士
佐々木 秀一
弁護士
1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。
