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相続の相談はどこにすべき?目的別に相談先の選び方や費用を解説

2025.04.12

一口に相続の相談といっても、窓口が複数ありどこに相談すべきか迷うかもしれません。相続の相談先は、目的に適した窓口を選ぶことが大切です。

本記事では、相続相談の目的に合わせた相談先の選び方や費用、無料で相談できる窓口について解説します。

相続の相談はどこにする?目的別の選び方

相続の相談先は、目的に合わせて選ぶことでスムーズな解決が期待できます。ここでは、目的別に各相談先の特徴を解説していきましょう。

目的 相談先
相続に関する基本的な相談 市役所・区役所
相続税に関する基本的な相談 税務署
相続トラブルの相談 弁護士
相続登記の相談 司法書士
必要書類の相談 行政書士
相続税の相談 税理士
被相続人の口座や遺産の相談 金融機関

相続に関する基本的な相談をしたい|市役所・区役所

相続に関する基本的な情報について相談したい場合は、市役所や区役所などの自治体が適しています。

  • ・相続手続きの流れ
  • ・死亡届・世帯主変更届の提出方法
  • ・戸籍謄本や印鑑証明などの取得方法

上記のほか、どの窓口に何を相談すればよいかも案内してもらえます。そもそも何から手をつけていいかわからない場合は、自治体に相談するのがおすすめです。

自治体のメリットは、無料で気軽に相談できること。一方で、一般的な回答しか得られず、個別の具体的なアドバイスは受けられません。

なお、自治体によっては、弁護士や司法書士、税理士による無料相談会が実施されることも。あらかじめ予約が必要な場合もあるため、早めに確認しておくとよいでしょう。

相続税に関する基本的な相談をしたい|税務署

相続税に関する基本的な情報を知りたい場合は、税務署に問い合わせましょう。税務署では、以下のような内容についてアドバイスが受けられます。

  • ・相続税の申告義務があるかどうかの判断方法
  • ・相続税の基礎控除額の計算方法
  • ・相続税の控除や特例の適用条件
  • ・相続税申告書の書き方
  • ・相続税申告に必要な書類

相続税の一般的なことについて相談したい場合は、気軽に無料で相談できる税務署がおすすめ。ただし、個別の具体的なアドバイスは難しいのが難点です。相続税申告の依頼や個別の相談は税理士にしましょう。

相続トラブルについて相談したい|弁護士

遺産分割の内容に納得できない場合や、相続人同士の争いが起きている場合など、相続人間のトラブルが発生した際は弁護士に相談しましょう。弁護士は紛争解決の専門家であり、相続人の代理人として交渉や裁判での対応も可能です。

依頼者の精神的負担を軽減しながら、トラブルを解決に導いてくれます。また、相続放棄や相続財産調査も適切に進められます。

ただし、費用は高額になりやすい点がデメリットです。なお、法テラスを利用することで、無料相談や費用の立て替え制度の適用を受けられる場合も。詳しくは後述します。

相続登記について相談したい|司法書士

相続登記に関する相談を希望する場合は、司法書士一択です。司法書士は不動産の名義変更を専門とする職種。弁護士同様、相続放棄の手続きや相続財産調査、遺産分割の相談にも対応しています。

弁護士より安い費用で幅広く依頼できるのがメリットです。ただし、相続トラブルには対応できず、代理人としての交渉もできません。

なお、司法書士への相談も、法テラスを介することで無料相談や費用の立て替え制度を利用できます。

書類の収集・作成について相談したい|行政書士

相続手続きの書類作成について相談したい場合は、行政書士が適しています。遺言書や遺産分割協議書の作成のほか、戸籍謄本の収集なども行ってくれます。また、車やバイクの名義変更や廃車手続きも依頼可能です。

弁護士や司法書士と比較すると、対応できる業務範囲が狭い点はデメリットといえますが、費用は比較的安価です。

相続人間の争いや不動産登記に関する不安がない場合、自分では手続きが難しい書類のみを依頼したい場合に活用するとよいでしょう。

相続税申告や節税について相談したい|税理士

相続税に関する問題を抱えている場合は、税理士に相談しましょう。税理士は相続税申告書の作成や申告代行を行ってくれます。また、節税対策のアドバイスを受けることも可能です。

相続税の申告が必要な場合、期限は相続開始を知った日の翌日から10ヶ月と定められています。相続税の算出方法が知りたい場合や、申告方法に不安がある場合は早めに相談してみるとよいでしょう。

税理士のなかでも得意分野は分かれているため、相続に強い税理士を選ぶと安心です。

被相続人の口座や遺産について相談したい|金融機関

被相続人の口座や遺産に関する相談は、銀行や証券会社などの金融機関に相談するとよいでしょう。被相続人の預金や口座、株や投資信託の状況を把握したい場合や、運用方法に迷っている場合に職員がサポートしてくれます。

ただし、具体的な法律相談は受けられない点に留意してください。事前に窓口での相談予約が必要な金融機関もあるため、事前に確認しておきましょう。

【相続】専門家への相談費用はどのくらい?

相続に関することで専門家に相談した際、依頼内容によって費用が変わります。ここでは各費用の目安を解説します。なお、費用は事務所ごとに異なるため、事前に確認しておくと安心です。

弁護士

弁護士に相続の相談をした場合、依頼内容ごとの費用は以下のとおりです。

依頼項目 費用
相談のみ 30分5,000円(初回無料の事務所もある)
相続放棄 約3〜10万円
相続財産調査 約10〜30万円
遺産分割協議 着手金:約20万円〜(別途報酬金も必要)
遺言書の作成 約10〜30万円
遺言書の執行 約30万円〜

司法書士

司法書士に相続の相談をした場合、依頼内容ごとの費用は以下のとおりです。

依頼項目 費用
相談のみ 30分5,000円(初回無料の事務所もある)
相続放棄 約3〜5万円
相続財産調査 約10〜30万円
相続登記の代行 約5〜15万円
遺産分割協議の作成 約5〜10万円

行政書士

行政書士に相続の相談をした場合、依頼内容ごとの費用は以下のとおりです。

依頼項目 費用
相談のみ 30分5,000円(初回無料の事務所もある)
相続財産調査 約5〜10万円
戸籍・住民票取得 1通1,500円
財産目録の作成 約3万円〜
遺産分割協議書の作成 約3万円〜
自動車の名義変更 約3万円〜
有価証券の相続手続き 約3万5,000円〜
相関関係図の作成 約2〜3万円

税理士

税理士に相続の相談をした場合、依頼内容ごとの費用は以下のとおりです。

依頼項目 費用
相談のみ 30分5,000円(初回無料の事務所もある)
相続財産調査 約10〜30万円
相続税申告の代行 遺産総額の0.5〜1.5%程度

無料で相続の相談が可能な窓口

前述のとおり、区役所や市役所などの自治体や税務署などの公的機関は、無料で相談を受けられます。そのほか以下の機関でも、条件に適合する場合は無料で相談が可能です。

<遺産相続無料相談センター>

  • ・対応地域:東京、神奈川、埼玉、千葉
  • ・面談の相談費用は無料で、各専門士業が個別具体的に対応
  • ・その後の依頼には別途費用が発生

<法テラス>

  • ・弁護士、司法書士との無料法律相談を実施
  • ・無料相談は経済的困窮の方が対象(基準を満たす必要あり)
  • ・相談時間は1回30分、同一の問題につき3回まで無料
  • ・弁護士、司法書士費用の立て替え制度あり(審査あり)

相続の相談内容に適した窓口を選ぼう

相続の相談をしたい場合、どのようなことを解決したいのかを明確にして相談先を探すことが大切です。基本的なことを気軽に相談したい場合は自治体や税務署などの公的機関を、具体的に手続きを依頼したい場合は各士業に相談しましょう。

なお、相続した不動産の売却を検討している方は、不動産買取に強い住栄都市サービスまでご相談ください。

監修

佐々木総合法律事務所/弁護士

佐々木 秀一

弁護士

1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。

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